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ニュースレター
年末に向け、何かとお忙しくお過ごしのことと存じます。気ぜわしい毎日ですが体調をくずされませんようお祈り申し上げます。当社もインフルエンザ及び新型コロナウイルスの感染防止を行い、健康な状態でお客様からのご要望にお応えしていきたいと思っています。
今回は、先日お客様から相談を受けた、建設から26年経過した施設の外壁に生じた不具合の検証についてお届け致します。
九州地方のある施設、高さ2.5mの外壁の表面に、膨張によるコンクリートの浮きやポップアウト、表面が剥がれるスケーリングの現象が、約150㎡の壁に対し約300箇所程度発生している。
また、浮きが見える箇所をハンマでたたき、露わになった箇所やコンクリートがスケーリングした部分の下面には白い析出物が確認できた
設計図書によると、建設時期は26年前、近隣の生コン工場より出荷されており、使用したコンクリートの配合は24-12-20N、粗骨材の岩種はハンレイ岩であった。
目視による診断では、壁全体に浮きやスケーリング、ポップアウトが発生していることから、原因は、①粗骨材の成分によるもの。または、②モルタル部分にエトリンガイトが発生したもの。
このどちらかであることがわかる。当社の取引先である、日鉄高炉セメント(株)の協力を得て、白色析出物をXRD分析※し成分を調べ、原因を特定することとした。
(※XRD分析とはX線回析法のことで一定波長のX線を照射し回析パターンを解析することで物質を特定する分析法)
分析の結果、成分はローモンタイトであることが分かった。
ローモンタイトは、有害鉱物とされ、乾燥湿潤の繰り返しにより体積変化を起こし、表面剥離、強度低下、ポップアウトを引き起こす。
また聞き込みの結果、25~30年前、その地方の岩種の一部にローモンタイトが微量に含まれていたため、この時期の構造物に今回と同じ症状の不具合が一部発生していることが判明した。上記のことから、今回の不具合の原因は、粗骨材の一部に有害鉱物のローモンタイトが混入していたためであると結論付けました。
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